COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2022年09月06日掲載

サイバーセキュリティの現在と心構え

8200部隊出身者の目から見るサイバーセキュリティ

8200部隊の元サイバー責任者は、サイバー攻撃への危機感が現在薄れていると感じています。
元サイバー責任者の目には現在のサイバーセキュリティはどのように映っているのでしょう。
さらに、彼が立ち上げたサイバーセキュリティのスタートアップについての記事をご紹介します。

8200部隊の元サイバー責任者「9.11テロに匹敵するサイバー攻撃だけが認識を変えるだろう」

8200部隊の元司令官であるAsaf Kochan氏と共同でサイバーセキュリティのスタートアップSentra社を設立したYoav Regev氏は、攻撃的なサイバーツールは国家によってのみ保持されるべきと考えています。

「攻撃的なサイバーツールは、国家のみが保有すべきものです。攻撃的なサイバー企業を設立することは、少しも考えていません。たとえ合法であっても、他の人がやったほうがいいと考えています。これは政府に限定されるべき分野なのです」と、サイバーセキュリティ・スタートアップSentra社のCEOであるYoav Regev氏は、初のメディアインタビューで現地イスラエルメディアに語っています。

Sentra社は、イスラエルのサイバーセキュリティのエコシステムにおいて、より興味をそそるスタートアップの1つで、8200部隊の元司令官Asaf Kochan氏が、8200部隊の卒業生で、2016年に5,000万ドルでOracleに売却したスタートアップCrosswiseを共同設立したRon Reiter氏、昨年までKochanの下で8200部隊のサイバー部門のトップを務めていた Yoav Regev氏、Datadogの元シニアプロダクトマネージャYair Cohen氏と共に共同で設立した企業です。

Sentra社は4月にOren Zeev、Bessemer Venture Partners、上級エンジェル投資家から2,300万ドルのSeedラウンドを調達したことを発表しています。

Regev氏は、「テクノロジーの世界にはまだ安心感がなく、それがビジネスの遂行に支障をきたしています」と述べました。
「9月11日の同時多発テロに相当するような、認識を一変させるようなサイバー事件がまだ起きていないのです。これは、サイバー攻撃で混乱が生じた後、自分の銀行口座からお金がすべて消えているのを見るような、金融上の出来事かもしれません」と続けています。

Sentra社設立のきっかけ

「私は、1,000人以上の兵士を指揮し、作戦行動を担当した後、軍務を終了しました。大手企業で重要な役割を担うか、小さな会社に入るか、自分で何かを立ち上げるか、選択肢はありました。
私は、一緒にいて楽しい人たちと働くことを選び、実際に影響を与えることができる重要なことを見つけました。Kochan氏とは10年以上の付き合いで、ずっと仲良くしてきました。
8200部隊のサイバー担当のような難しい役割を終えると、スリルと興奮を失ってしまうかもしれないという恐れがあります。私は今でも情熱を持っていますが、しかしその情熱は別の種類のものです。
データがすべての時代に、セキュリティのあり方を変えたいと考えています。」

Sentra社について

「Sentra社は、組織内のすべてのデータをマッピング、分類し、データに基づく意思決定を可能にします。すべての組織はハッキングされることを想定し、被害を抑えるための準備をする必要があるのです。」

現在のハイテク減速への対処

「今後数カ月で製品を正式に発売し、ビジネス面でも加速していく予定です。研究開発スタッフは多く、一方マーケティングや営業は少人数でやっています。
景気後退が直接の打撃にはなっていませんが、無視することはできません。まだ素晴らしい機会があり、新たな資金調達に恐怖やストレスを感じるような状況にはありません。」

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