Reika Saito / Israel Media
2022年08月18日掲載
自律型セキュリティの無償ライセンス
- イスラエルのニュース
サイバーセキュリティ分野の成長性
経済の先行き不安が世界的に広がる中、イスラエルのハイテク産業も影響を受けています。
しかし、サイバーセキュリティ分野はその重要性から今後の成長が見込まれる分野となっています。
IoTデバイス向け自律型セキュリティプラットフォームを提供するイスラエルのスタートアップについての記事をご紹介します。
大きく前進したSternum社のIoTセキュリティ
すべてのハイテク企業が経済の先行き不安の中で不利になるわけではありません。
数カ月で2兆ドル以上の価値を失った暗号技術のようなリスクの高い技術分野は、今後数カ月で停滞することが確実ですが、サイバーセキュリティは、技術分野で単に不可欠と見なされている珍しい分野の1つです。
テルアビブを拠点とするSternum社のIoTデバイス向け自律型セキュリティは、今のところ、その輝かしい一例となっています。
同社は先週、無償ライセンスを発表し、IoT企業に対して、あらゆるOpenWrtデバイスにSternumを無期限で無償展開する機会を提供しました。
このようなプラットフォームが無料で提供されるのは初めてですが、Sternum は、Zephyr、FreeRTOS、VxWorks、Micrium、その他すべての組み込み Linux ディストリビューションとして知られる RTOS デバイス用のプレミアムライセンスも提供しています。
Sternum社のCEOで共同創業者のNatali Tshuva氏は、Sternum社の製品について次のように述べています。
「IoTセキュリティの統合は、導入が複雑で、保護することを目的としたデバイスの性能に悪影響を及ぼすと考えられています。
私たちは、このようなことがないことを示すために、OpenWrtコミュニティにプラットフォームを公開することを決定しました。
ホームユーザーや中小企業向けに無条件で強固なセキュリティを提供することで、パラダイムシフトを起こし、より標準的で安全、かつ有能なIoTエコシステムへの道を開くことが我々の目標です。」
無料のOpenWrtのセキュリティと観測性を打ち出す動きは、Sternumがセキュリティの権威であるAmit Serper氏をセキュリティリサーチディレクターとして採用したことを受けてのことです。
彼は以前、米国のコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)大手、Akamai Technologies社で同じ役職に就いていました。
Serper氏は、2017年にロシアの「NotPetya」ランサムウェア攻撃で、800以上のウクライナの企業がデジタルウイルスに感染した際の有名な対策を担当した責任者です。
また、Sternum社は、Cybereasonの最高セキュリティ責任者であるSam Curry氏と、元同社の製品担当VPでOnapsis Inc.のCPOであるAshish Larivee氏を顧問委員会に加えています。
その上、Sternum社の高度なセキュリティと観測可能なプラットフォームは、業界をリードするIOTソリューションズ世界会議2022のイベントでトップの座を獲得しました。
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