COLUMN Reika Saito / Israel Media
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Reika Saito / Israel Media

2019年01月28日掲載

イスラエルの国旗

イスラエルの国旗イメージ

以前、国歌のことを書いたので今回は国旗について。

イスラエルの国旗は、白抜きの背景に、中央にダビデの星と呼ばれる紺青色の六芒星、上下の辺に同じく紺青色の帯、の図柄です。上下の帯は、ユダヤ教の男性が礼拝の際に用いるタリットと呼ばれる肩掛けの帯を表しています。
現在、この六芒星はユダヤのシンボルとして色々なところで使われていますが、これがユダヤのシンボルとなったのは数百年前のことらしいです。

ところで、ちょっとややこしい話ですが、この六芒星をユダヤのシンボルとしての文脈で使うとき、一般的には「ダビデの星」と呼ぶことが多いのですが、ユダヤ人はこれをヘブライ語で、「マゲンダビドmagen david מַגֵּן דָּוִד」と呼びます。(イスラエルに旅行することがあったら、星を指さして「マゲンダビドだね」と言ってみてください。「おっ?」という顔をされ喜ばれます。)このヘブライ語の直訳は、「ダビデの盾」とか「ダビデの守り」です。さて、この「マゲン」、ユダヤ人にとっては実は重要な意味を持つものです。

ヘブライ語で「マゲン」は、何かを守るためのカバーとか壁とか、はたまた防御そのものを指す言葉ですが、古くは旧約聖書に登場し、非常に重要な言葉です。
旧約聖書の創世記15章には、アブラハムが神と約束を交わした際に、「アブラハムよ、恐れるな、私は汝の盾(マゲン)である。」と言われたという記述があります。同じく旧約聖書の詩編にも、ダビデ王が神のことを、「神のみが我々の助けであり我々を守るもの(マゲン)である」と繰り返し賛美している箇所があります。

こんな具合に、ユダヤ人にとってのダビデの星は、旧約聖書から受け継がれる、神がユダヤ人を守っていることを象徴するシンボルなのです。

余談ですが、イスラエルの救急車は、「マゲンダビド・アドム」と呼ばれます。「アドム」は血液とか赤色のことを指し、イスラエルの救急車のマークは、ご想像のとおり、ダビデの星の赤色バージョン、というわけです。救急車に乗っている病人を神が守ってくれるようにという願いが込められて名付けられたのでしょうね。

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