COLUMN Reika Kikuchi
COLUMN

Reika Kikuchi

2019年01月14日掲載

ヘブライ語―シャロームについて―

 

ヘブライ語の構造については別の機会に説明したいと思いますが、今日は、ヘブライ語の言葉のなかで一番有名な「シャローム」について。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、「シャローム」が一番使われる場面は挨拶の場面です。旅行ガイドの巻末ヘブライ語ワード集などでは、「こんにちは」「こんばんは」「やあ!」などと訳されています。

朝でも昼でも夜でも使えるという点では、Helloのような感じです。

 

ところで、唐突ですが、Shalomをヘブライ語で書くと、 שָׁלוֹם となります。

ヘブライ語では、基本的に、三つの子音の塊が意味を持つことを頭の中に入れておくと、ヘブライ語の理解が格段に上がります。

なぜなら、ヘブライ語の単語は、すべてこの三つの子音の組み合わせの展開形で出来ているからです。(三つの子音を並べる順番にも意味があり、順番を入れ替えると意味が変わってしまうので要注意です。)

 

これをシャロームについて見てみましょう。Shalomという言葉を構成する三つの子音の塊は、右からShin-Lamed-Mem (ש.ל.מ)の組み合わせです。音で言うと、Sh(シューズのシュ)、L(ラムのラ)、M(メインのメ)になります。

 

さて、このShとLとMの組み合わせですが、この組み合わせが持つ意味はちょっとディープというか素敵というか、簡単に言うと、「完全な状態」を意味します。精神的、物質的、人格的、対人的な場面で、何かが欠けておらず完結している様子、とでも言いましょうか。

ShとLとMの組み合わせが名詞として用いられる場合のShalomは「平和」を意味します。

挨拶で用いられるShalom!は、つまり、「あなたに平和がありますように!」という意味になり、アラビア語に言うSalaam(サラーム)と同じです。アラビア語とヘブライ語は同じセム語族に属する兄弟言語であることから、この子音三つの組み合わせで意味を構成することにした、というシステムが同じなのです。

そして、アラビア語もヘブライ語も、「あなたに平和がありますように」という祈りを挨拶の言葉にした点が共通であるというのは、なかなか面白いですね。

菊地鈴華

大阪府生まれ、聖心女子学院高等学校卒、京都大学法学部、京都大学大学院法学研究科民刑事法専攻修了、テルアビブ大学ロースクールLL.M(知的財産法専攻)修了。広範な法人取引や商業取引において豊富な経験を有する日本の弁護士。インバウンド/アウトバウンド投資、国際貿易および紛争解決に関する問題に関して、世界中の多様な地域の顧客を支援。イスラエルに3年、エジプトに2年間拠点を置き、中東諸国の国境を越えたプロジェクトに携わる。現在は小笠原六川国際総合法律事務所でパートナー弁護士。

コメントは受け付けていません。

single-column.php