イスラエルのスタートアップが開発したAIによる交通整備技術、日本進出へ

AI技術で効率的で費用対効果の高いインフラ整備を提供する信号機管理システム

AIを活用して都市の交通ネットワーク運営方法を刷新する技術を開発したイスラエルのスタートアップNotraffic社。
最大50％の渋滞軽減効果を誇る同社のサービスは導入時に指定ハードウェアをインストールすることなく、わずか2時間で運用を開始でき、年中無休のサポートを受けられます。
今回調達した資金は日本・欧州へのプラットフォーム展開の拡大のために使用される予定です。

イスラエルの交通管理スタートアップが5000万ドルを調達、欧州と日本への進出を目指す

AIが管理する交通プラットフォームを開発するイスラエルの新興企業NoTraffic社は、シリーズB資金調達ラウンドで5000万ドルを調達しました。

この資金調達ラウンドは、ロンドンを拠点とする保険・資産運用会社M&G Investments社が主導し、スウェーデンの投資ファンドVNV Globalと台湾のチップメーカーUnited Microelectronics Corp.のコーポレート・ベンチャー・キャピタル部門であるUMC Capitalが参加しました。

また、アーリーステージのベンチャーキャピタルであるGrove Ventures、Vektor Partners、Next Gear Ventures、North First Ventures、Meitav Investment House、Alchimia Investments、TMGなどの現投資家も参加しました。今回のラウンドにより、NoTraffic社のこれまでの資金調達総額は7,550万ドルに達しました。

CEOのTal Kreisler氏、CTOのUriel Katz氏、研究開発担当副社長のOr Sela氏によって2017年に設立されたNoTraffic社は、渋滞の緩和、衝突事故の防止、二酸化炭素排出量の削減を目標に、100年以上の歴史を持つ信号機管理技術を革新することに着手しました。

このスタートアップは、AIアルゴリズムとクラウドに接続されたスマートセンサーを使用して、都市における道路の動きを追跡し、都市の交差点における自動車、自転車、バス、歩行者といったあらゆる種類の交通機関の流れをよりよく制御し、優先順位をつける自律型交通管理システムを開発しました。プラグアンドプレイの自律型交通管理プラットフォームは2時間以内に設置でき、渋滞と移動時間を最大50％削減できるといいます。

「携帯電話がビジネスの固定回線を破壊したように、膨大な種類の新しいアプリケーション、ビジネスモデル、収益プールへの扉を開いたのはApple社のAppStoreでした。同様にNoTraffic社のSaaSプラットフォームは、インフラを変更することなく関係者に柔軟に提供できる独自の洞察と機能性を生み出すように設計されています。

今回の資金調達は、今日の交通管理のあり方に革命を起こし、次世代の高度なモビリティ・サービスを実現し、自律走行車の台頭にインフラをより適応させるという我々の使命における新たな一歩です」とKreisler氏は述べています。

新たな資金調達ラウンドは、生産、研究開発、販売を拡大し、日本、イタリア、ドイツ、英国を含む新たなグローバル市場へのプラットフォームの展開を拡大するために使用されると、同社は述べています。

NoTraffic社は、地方や州の交通局を含むパートナーや販売業者のネットワークと連携し、リアルタイムで交通を管理しています。同社のAIを活用した交通信号プラットフォームは現在、カリフォルニア州、テキサス州、ペンシルベニア州、コロラド州、ジョージア州、バンクーバー州など、北米の複数の都市や州に導入されています。
また同社はテルアビブ、パロアルト、フェニックスにオフィスを構え、Apple、Microsoft、Amazon、Rivian、Ford、Pfizer、Nvidia などの大手企業と提携しています。

M&G Investments社のポートフォリオ・マネージャーであるCarl Vine氏は、「NoTraffic社は、長年の都市問題を解決すると同時に、コネクテッドカーや自律走行車の時代に向けて道路を整備する重要なステップを踏んでいます」と述べています。

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