OpenAI創業者が語るイスラエルの未来

AI革命を牽引するイスラエルが果たす「大きな役割」とは

今月初め、OpenAI社の設立者であるSam Altman氏がAIのユーザーや開発者、政策立案者と会うための世界ツアーの一環として、イスラエルを訪問し、テルアビブ大学で講演を行いました。
Altman氏は「イスラエルのハイテクおよびスタートアップコミュニティがAIを受け入れているスピードは、見ていて信じられないほどである」とイスラエル企業のAIに対する前向きな姿勢を評価しました。
またイスラエル企業が持つ特徴はAI発展に大いに貢献し、大きな役割を果たすことになるだろうと展望を述べました。

イスラエルはAI革命で「大きな役割」を担う、OpenAI社のSam Altman氏が語る

OpenAI社のCEOであるSam Altman氏は、イスラエルの人材プールに感銘を受け、地元の技術エコシステムが、今後数年間で世界を変革する人工知能革命において「大きな役割」を果たすことになると自信を示しました。

Altman氏はテルアビブ大学でのイベントで「私が観察したイスラエルの特徴は2つあります。1つ目は人材の密度、2つ目はイスラエルの起業家の執拗さ、意欲、野心です」と述べました。
さらに「この2つが揃えば、AI研究とAI応用の両面で信じられないほどの繁栄につながるでしょう」と自信を持って語りました。

Altman氏は、AIのユーザーや開発者、政策立案者と会うための世界ツアーの一環として、イスラエルを訪問していました。
テルアビブ大学では、Altman氏とChatGPT（昨年末に発表された、人間の書く文字を模倣したウィルス性のチャットボット）の開発者であるIlya Sutskever氏が、TAUコンピュータサイエンス学部のNadav Cohen博士に迎えられました。

photo by David Saranga 

ChatGPTは、テキストデータで学習させたいわゆる大規模言語モデルをベースに、人間がするような質問、つまりプロンプトに答えるツールです。Altman氏とSutskever氏は、AIと超知能が将来もたらす脅威と課題について議論し、学生、データサイエンティスト、AI開発者、ハイテク関係者からの質問に答えました。

Altman 氏は、技術界の大富豪である Elon Musk氏 の支援を受け、人工知能が全人類に利益をもたらすことを使命とする研究開発ラボとして、2015年にOpenAI社を設立しました。

2人のハイテクパイオニアは、イスラエルの開発者や起業家に、膨大な数のチャンスとポジティブな応用があると予測されるAIの未開拓の領域に踏み込むことを奨励しました。
「『頑張れ、やってみるしかない』と言いたいです」とSutskever氏は熱く語りました。

同時に、AltmanとSutskeverの両氏は、AIを制限し、責任を持って使用するために、原子力発電の制御機関に似たフロンティア規制機関を創設し、AIの存亡の危機を真剣に受け止める必要性を強調しました。AIモデルの迅速な開発とその急速な使用により、世界中の法律家がこの技術の規制と安全問題やその他の潜在的な危険に対処する方法を考えています。

Altman氏はOpenAI社のチーフサイエンティストでもあるIsaac Herzog氏に、イスラエルへの訪問は「とても特別なこと」であると語りました。

「イスラエルのハイテクおよびスタートアップコミュニティがAIを受け入れているスピードは、見ていて信じられないほどです。そして、イスラエルが大きな役割を果たすと確信しています。イスラエルの技術コミュニティは本当に素晴らしいです。」

2人は、AIのリスクとメリット、そして技術の発展スピードの速さについて議論しました。Herzog氏は、AI技術の倫理や道徳などについて、イスラエル国内や世界での議論をリードしていきたいと個人的な希望を口にしました。
この驚くべきテクノロジーの大きなチャンスと明らかに隣り合わせに、人類や将来の人間の自立に対する多くのリスクも存在するとHerzog氏は発言しています。
「医療はAIによって劇的に改善されるでしょう、しかし、倫理や道徳の問題、フェイクニュースの疑問は、そのリスクを示しています。」

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