COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2023年04月18日掲載

サイバーセキュリティ対策への効果を期待されるChatGPTを悪用したサイバー犯罪

イスラエルサイバーインテリジェンスセキュリティ企業が発表した最新レポート

Microsoft社などのChatGPTを活用したAIをセキュリティ対策として使用している企業が話題となるなか、ChatGPTを使用したサイバー犯罪が増加していることがイスラエルのサイバーインテリジェンスセキュリティ企業Cybersixgill社により報告されました。同社によるChatGPTを悪用したサイバー犯罪に関する記事をご紹介します。

ChatGPTの力を悪用するサイバー犯罪者

ChatGPTやその他のAIツールにより、プログラミング能力の低い人々でもサイバー犯罪を犯しやすくなっている、というレポートが発表されました。

チャットボットを使えば、悪意のあるコードを素早く書き、説得力のある詐欺メッセージを作成することができます。これらの技術が、テクノロジーが犯罪に利用されるのを防ぐために設計されたセキュリティ対策にもかかわらずです。

イスラエルのサイバーインテリジェンスセキュリティ企業Cybersixgill社の新しいレポートによると、サイバー犯罪者はディスカッションフォーラムに「初心者向けの完全なステップ バイ ステップ チュートリアル」を投稿しているそうです。

サイバー犯罪者たちは、ChatGPTを利用した技術により、フリーランスの仕事を不正に獲得したり、オンラインカジノでサイコロを転がす操作やギャンブル、賭け事のコマンドを自動化するスクリプトを書いたり、オンラインビデオゲームで不正を行うことで1日に500ドルを稼ぐことができると主張しています。

Cybersixgill社によると、このチャットボットは、信頼できる個人の文体を模倣したメッセージを作成することで、特定の個人を標的とするパーソナライズされた「スピアフィッシング攻撃」にも使用されているそうです。

ChatGPTは、不適切、有害、違法な要求を識別して拒否する保護メカニズムを内蔵して設計されていますが、サイバー犯罪者がこれらの制限を回避する戦略に取り組んでいることをCybersixgill社は発見しました。

またこのレポートでは、2022年中に英国を除く全世界でクレジットカードの不正利用が減少したことも報告されています。サイバー犯罪者はその代わりとして、暗号通貨詐欺に焦点を合わせているのです。

同社のセキュリティ戦略担当のDelilah Schwartz氏は、

「サイバー犯罪は急速に進化しており、サイバー脅威の状況における新たな機会や障害は、脅威行為者の戦術、ツール、手順に影響を与えています。これに対し組織は、高度化する攻撃から身を守るために、もはや時代遅れの技術や手作業に頼ることはできないでしょう。ディープウェブ、ダークウェブ、クリアウェブから得られるリアルタイムのCTI(サイバー脅威情報)に基づいたプロアクティブな攻撃対象領域の管理は、現在最も重要であり、今後数ヶ月、数年の間に重要なサイバー防御武器となるであろう」

と述べています。

当団体について

日本とイスラエルを結ぶインキュベーション支援事業をワンストップにて提供しております。
スタートアップやベンチャー企業、また、当研究所からしかご紹介することが出来ないビッグプロジェクトのマッチング、紹介、参画募集や代理店募集など、すべて直付の紹介を行っております。

当団体からご紹介できるセキュリティサービス一覧はこちらから

facebook ツイート Linkedin ページをブックマークして共有する LINEで送る

コメントは受け付けていません。

single-column.php