COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2022年07月08日掲載

イスラエル人を表すスラング―ツァバル―

イスラエルには、サブラとか、より一般的には、「ツァバル」(Tzabar、צבַר)という言葉があります。いわゆるスラングで、もともとは、単に、イスラエルで生まれたユダヤ人をいう言葉だったようです。

さて、肝心の「ツァバル」の語源ですが、「ツァバル」とは実は植物のサボテンのことです。(サボテンの実のことはサブレスといいます。)
つまり、スラングの「ツァバル」は一種のメタファーで、その意味するところは、「イスラエル人は サボテンのように外見は荒々しくとげとげしいが、中身は柔らかく甘い」ということのようです。
ちょうどイスラエル人の性格と同じで、「強靭だが一皮むくと温かくて優しい」と。もともとはそういうことだったようです。

他方、私がテルアビブのヘブライ語学校でこの言葉を習った際には、このような良い意味を超えたニュアンスを教わりました。
先生が比較的高齢であったからかもしれませんが、近年イスラエルにおいて「ツァバル」というスラングでたとえられているイスラエル人とは、イスラエルの若者のことであることが多く、そこで表現したいことは、「強そうに振舞ってはいるが中身はナヨナヨしていてすぐへこたれる」ということよ、と。先生は、半分面白がって教えてくれました。

イスラエル建国時の苦労を知っている世代とそれを知らない世代との間のジェネレーション・ギャップ。
「最近の若い者は・・・」論は、どこの国にもあるのだなと思ったことをよく覚えています。

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