COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2022年06月21日掲載

中核事業拡大のための事業売却

雲行きのあやしいサイバーセキュリティ企業

イスラエルの多くのサイバーセキュリティ企業では株価下落に見舞われ、これを理由としたレイオフ政策等が多く取られるようになってきています。
周辺事業を売却し、それによって資金を中核事業に集中させようというCyren社の取り組みをご紹介します。

Cyren社、メールゲートウェイを1,000万ユーロで売却

イスラエルのサイバーセキュリティ企業は、フィッシング対策ソリューションの中核となる脅威インテリジェンス・サービスに注力する予定です。

イスラエルのインボックス・セキュリティおよび脅威インテリジェンス・ソリューション企業であるCyren社(Nasdaq: CYRN)は6月8日、同社のセキュア電子メールゲートウェイ事業をコンテンツ・サービス・グループGmbHに現金1000万ユーロで売却する契約を締結したと発表しました。
Cyren社はこの売却により、顧客と株主に最適な価値を提供するための戦略的成長機会に集中することができるようになると述べています。

ヘルツリーヤに本社を置くこのサイバーセキュリティ企業のNasdaq流通市場での株価は、ここ数週間で75%下落しましたが、この売却のニュースにより30.3%上昇し2.32ドルとなり、時価総額は1800万ドルとなりました。

Cyren社のCEOであるBrett Jackson氏は、「この取引は、Cyren社にとって最高の成長機会を提供すると考えられる製品および市場機会に注力するという当社の戦略に完全に合致するものである。
今回の買収で得た資金は、当社のバランスシートを強化し、成長関連の追加投資に充てることができ、当社の製品ラインと事業全体の合理化につながるだろう。
コンテンツ・サービス・グループは、この事業の戦略的適合性が高く、この事業に関連する当社のチームメンバーにとって良い拠点となり、製品と顧客サポートの継続を約束するものと考えている」と述べています。

Cyren社は、今回の売却資金をフィッシング対策ソリューションであるCyren Inbox Securityや、中核となる脅威情報サービスに関するマーケティング活動の拡大に充当する予定です。
これらの製品の受注はここ数四半期で伸びており、今後の伸びも期待されます。

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