ワイヤレス充電技術　電気バスへ応用

公共交通機関の電化が進むイスラエル

イスラエルでは公共交通機関の電化が進められています。
Electreon社が持つ電気自動車のワイヤレス充電は、走行中に電力供給が行われる点が特徴です。
ワイヤレス充電の仕組みや、公共交通機関の電化への取り組みについてのニュースをご紹介します。

Electreon　イスラエル第 4 位のバス運行会社とワイヤレス充電の契約締結

イスラエルの電気自動車（EV）充電会社であるElectreon社は、イスラエルで4番目に大きいバス事業者であるElectra Afikim社と190万ドルの契約を締結しました。
Electreon社は同社の特徴である無線ダイナミック充電インフラを提供し、バス30台を同時に充電できるようにしたと5月16日に発表しています。

この契約により、Electreon社は今後12年間、保守・サポート・運用サービスを提供し、約1,400台のバスを保有するElectra Afikim社は電気料金を負担することになりました。

今回の商業契約締結は、国家公安委員会が2025年以降の有害なバス導入禁止の一環として、公共交通事業者に対してバス車両の電化のためのインフラ取得・整備を提案することを呼びかけたことを受けて行われたものです。
このため、運輸省は、急成長するロッシュ・ハアイン市のクリーンな電動モビリティを推進する政策の支援とともに、このプロジェクトに約290万ドルを投資しました。

Electreon社は、2021年10月にDanというバス会社と200台のバスに対するワイヤレス充電サービスの販売を含む同様の契約を締結して以来、約7カ月ぶりにイスラエルで2件目の商業契約を締結したことになります。

2013年に設立されたElectreon社は、道路の中央車線の下に設置された銅製コイルを用いて走行中の電気自動車（EV）を誘導充電するシステムを開発しました。
コイルは舗装に覆われており、地下システムから電力が供給されます。車両の下に設置された受信機または複数の受信機によって充電が行われます。
このシステムにより、電気自動車は走行距離が短く寿命の短い重いバッテリーを搭載することなく、このスマートロードを走行しながら継続的に電力を供給されることが可能になります。

同社は、電気自動車に搭載する電池の小型化、あるいは電池未搭載により、電気自動車の軽量化と効率化、電池製造にかかる環境コストの低減を目指しています。

「2022年は、Electreonにとって、サプライチェーンの企画・開発・構築から、大規模な生産・販売へと移行する年である」とElectreon社のCEOであるOren Ezer氏は述べています。
「Electra Afikimと締結したワイヤレス静電充電プロジェクトは、ダイナミックワイヤレス充電とともに、当社が世界の多くの都市で再現することを意図したモデルである。Electreonは、現在進行中のプロジェクトや将来のプロジェクトの迅速な構築に対応するため、生産能力の大幅な増強を続けている」と話しました。

Electra Afikim社CEOのオデッド・コーエン氏は「公共交通機関のリーディングカンパニーとして、私たちはグリーンエネルギーに目を向けている」と話します。
「電化への移行は、インフラの割り当て、強力なグリッド接続、長引く官僚主義に左右される。そのためより費用対効果が高く利用しやすい選択肢を提供するElectreonと電気バスの充電において提携できたことは喜ばしいことである。
Electra Afikimは、持続可能な都市プロジェクトの一環として、すでにアシュドッド市内のユニークなBRT路線で25台の電気バスを運行しており、グリーンエネルギーバスの利用拡大に努めている。
この戦略は、Electraグループが過去数年にわたり様々なレベルで行ってきた持続可能な活動に沿ったものだ。公共交通の電化政策の一環として、本協定を推進する国家公共交通局に感謝している」と続けました。