Reika Saito / Israel Media
2018年11月30日掲載
イスラエルの国歌
- イスラエルの文化
「イスラエルのもので何が好きですか」と問われた場合、私が必ずあげるものの一つに、イスラエルの国歌「ハ・ティクバ」があります。
そのメロディは、よく、スメタナの交響曲モルダウに似ていると言われますが(実際かなり似ていると思います。)、作曲したのは、ナフタリ・ヘルツ・インバルという人物です。
インバルは、イスラエルのワイナリーを渡り歩いてジプシーのような暮らしをしていた詩人・芸術家でした。相当な酒豪(酒乱?)だったそうで、彼がある夜酔ってぽっと書いたのが、ハ・ティクバだと言われています。
それはさておき・・・。
ティクバはヘブライ語で「希望」を意味しますが、ハ・ティクバの歌詞で歌われている希望とは、実は、「自分たちの国を得ていつか自由な民となる」という希望なのです。2千年もの間流浪の民としてさまよい迫害を受けてきたユダヤ人たちの切望を歌にしたのがこのハ・ティクバです。
1948年に独立国家を建設し、自分たちの国を得て何十年もたった今、このような「いつか自由の民となろう」という希望を国家として歌い続けることについては、イスラエルにおいても賛否両論があるようです。
政治的思想から君が代を歌うことを拒否する人々がいる我が国とは違い、イスラエルでは国歌が嫌がって歌わない人はいないようですが、「この歌詞は、なんだか(古い)な~」という気持ち以上の複雑な気持を抱いている人々も、実はいるらしい、です。
はつらつとした(大げさな)マーチ調の国歌が世界中に多い中、そういうタイプの曲を国歌にしていない点でイスラエルは日本と似ていますが、国歌の歌詞に対して複雑な気持ちを持っている人が存在する点でも似ていますね。
ハ・ティクバを聞いてみたい方はYouTubeでHaTikvaで探してみてください、たくさん出てきますので。
◆バーバラ・ストライザンドのバージョンはこちら↓
◆イスラエルの国民的歌手リタのバージョンはこちら↓
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