COLUMN Reika Kikuchi
COLUMN

Reika Kikuchi

2019年03月19日掲載

イスラエルのイノベーションについて-1

このコラムを読んでくださっている方のなかには、NHKの朝ドラ「まんぷく」を見ておられる方がいらっしゃるかもしれません。この「まんぷく」、日清食品の創業者である安藤百福という実在の人物をモチーフにしているとのこと。

0から1をつくる

主人公である立花萬平は、根菜切断機などの発明→製塩業→池田信用金庫の頭取→即席ラーメンの発明と社長業、と色々なことをやってのけたわけですが、戦前には濡れ衣を着せられ憲兵隊に捕まって拷問されたり、戦後には脱税のいいがかりをつけられてGHQに捕まったりと、まさにドラマ化するにはぴったりの波乱万丈の人生を歩んでいます。

さて、この立花萬平、もとい安藤百福は、お湯をかけるだけで出来るラーメンなんて「なにそれ?」の時代に、麺やスープからすべての材料を一から作り出したわけですから、考えてみれば(考えてみなくても)凄い発明家であることは間違いなく、まさに「イノベーター」です。そうです、日本にも、著名なイノベーターはたくさんいるわけです(Dr. 中松とか!)

そういうわけで、イスラエル関連のイベントなどで、「日本は1を100にするのが得意だが、イスラエルは0から1を作るのが得意だ」などと言われているのを聞くと、「はあぁ?!日本だって0から1を作るのは得意だよ!!!」と言いたくなってしまうわけです(言いませんけど)。

イスラエルは“イノベーション”に対する意識が高い

ただ、イスラエルが、イノベーションに対する意識が高い国であり、そこにいる人々のスタートアップ精神が旺盛であり、実際にバイオやITの分野で優れた技術を生み出していることは間違いありません。だからこそ、世界の名だたる企業がR&Dセンターを置き、また、投資対象や技術提携先として注目を浴びているわけです。

そして、イスラエルにおいてイノベーションが盛んな理由については、色々な人が色々なことを言っていますが、もちろん、答えは一つではないわけです。イノベーションを促進し支えていこうとする法律や社会の制度、大学や研究機関の在り方、また、よく言われることですが、「失敗をよしとする」国民性や社会の気風もそうでしょう。

イスラエル イノベーション

まずは、法制度からということで、イスラエルのR&D法(Law for the Encouragement of Industrial Research and Development)を紹介したいと思いますが、若干長くなりますので、次稿にて。

菊地鈴華

大阪府生まれ、聖心女子学院高等学校卒、京都大学法学部、京都大学大学院法学研究科民刑事法専攻修了、テルアビブ大学ロースクールLL.M(知的財産法専攻)修了。広範な法人取引や商業取引において豊富な経験を有する日本の弁護士。インバウンド/アウトバウンド投資、国際貿易および紛争解決に関する問題に関して、世界中の多様な地域の顧客を支援。イスラエルに3年、エジプトに2年間拠点を置き、中東諸国の国境を越えたプロジェクトに携わる。現在は小笠原六川国際総合法律事務所でパートナー弁護士。

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