COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2022年07月14日掲載

ホワイトハッカーによるZTNA構築

ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)とは

ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)とは、明確に定義されたアクセスコントロールポリシーに基づき、場所や使用するデバイスに関係なく、アプリケーション、リソース、ワークステーション、サーバー、ファイルへの便利で安全なアクセスを提供するソリューションです。
ZTNA は、ネットワーク全体へのアクセスを許可する仮想プライベートネットワーク(VPN)とは異なり、特定のサービスまたはアプリケーションへのアクセスのみを許可します。
イスラエルのスタートアップが開発するZTNAは、データをクラウド内に保管しない上、幅広いユースケースに対応可能です。
今回はこの技術を持つスタートアップの調達についての記事をご紹介します。

サイバーセキュリティ・スタートアップのCyolo社、シリーズB資金で6,000万ドルを調達

アプリ、サーバー、デスクトップ、ファイルへの安全なアクセスを可能にするイスラエルのスタートアップ、Cyolo社は、シリーズBで6,000万ドルの資金調達を発表しました。

同社のゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)は、リモートサーバーへのアクセスを制限するためのVPNに代わる改善策を提供するものです。

6月28日に発表された最新の資金調達ラウンドは、National Gridのベンチャー投資およびイノベーション部門であるNational Grid Partnersが主導し、既存投資家のGlilot Capital Partners, Flint Capital, Differential Ventures, Merlin Venturesが全面的に支援したものです。

Cyolo社は昨年7月、Glilot Capital Partnersが主導し、National Grid PartnersとMerlin Cyberから戦略的投資を受け、既存の出資者であるFlint Capital、Global Founders Capital、Differential Venturesの支援を受けて、シリーズAで2,100万ドルを調達したと発表しています。

Cyolo社の共同創業者兼CEOであるAlmog Apirion氏は、次のように述べています。
「私自身、元CISO(最高情報セキュリティ責任者)として、ユーザーとデジタル資産があちこちに分散している状態でデジタル変革プロセスを制定することの複雑さとサイバーリスクを身をもって知りました。
自分のニーズを満たすソリューションが見つからず、そこで、この技術を作ることにしました。」
「私は2人のホワイトハッカーと力を合わせ、地球上で最も安全で柔軟なIDベースのアクセスソリューションを構築しました。
しかし、私たちの本当の情熱は、ZTNAをはるかに超えて、すべての企業においてシンプルで安全なデジタル変革を可能にすることです。」
彼は、Eran Shmuely氏とDedi Yarkoni氏という2人のホワイトハッカーと提携し、最も巧妙な攻撃者を排除するためのセキュリティ機能を備えた、彼が望む機能を構築したのです。

Cyolo社のチームは2年間で、場所や使用するデバイスに関係なく、アプリケーション、リソース、ワークステーション、サーバー、ファイルへの便利で安全なアクセスをワークフォースに提供するプラットフォームを構築しました。
同社によると、その適応性のある包括的なソリューションは、外部のサードパーティーによる内部サーバーへのアクセスから、OTオペレーターによる重要なネットワークへのアクセスまで、幅広いユースケースに対応するとのことです。

多くのZTNAプロバイダーは、顧客のパスワード、ユーザーデータ、トークン、アクセスポリシー、秘密鍵などを自社のクラウド内に保管しているといいます。
しかし、Cyolo社の場合、データとコントロールプレーンは顧客にあり、クラウドには保存されません。

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