COLUMN Reika Saito / Israel Media
COLUMN

Reika Saito / Israel Media

2022年10月24日掲載

元首相が抱く重要インフラへのサイバー攻撃危機感

重要インフラへのサイバー攻撃

重要インフラへのサイバー攻撃は、国家の安全保障に影響を及ぼしかねない問題となっています。
オーストラリアの元首相は、首相時代の経験をもとに、重要インフラへの危機感を募らせ、今回の新会社設立に至っています。
イスラエルで立ち上げられた重要インフラを保護するサイバーセキュリティ・スタートアップについての記事をご紹介します。

NSOの元CEOとオーストリアの元首相がサイバーセキュリティの新スタートアップを設立

石油、水、エネルギー施設などの重要インフラサイトをサイバー攻撃から守るDream Security社が初期ラウンドで2,000万ドルを調達しました。

Shalev Hulio氏は、自身が共同設立したサイバー諜報会社NSOグループのCEOを退任してから数カ月、オーストリアのSebastian Kurz前首相と連携し、石油、水、エネルギー施設などの重要インフラをサイバー攻撃から守るサイバーセキュリティ・スタートアップを立ち上げました。

Dream Security社と呼ばれるこのスタートアップは、政府機関や団体とも協力し、まずはヨーロッパに焦点を当てると、イスラエル現地メディアが10月12日に初めて報じました。
新会社は、イスラエル系アメリカ人のベンチャーキャピタリストで投資会社Group 11の創業者であるDovi Francesが率いる投資家グループから、異例のプレシードラウンド2,000万ドルを調達しました。

IoT(モノのインターネット)機器に特化した情報収集企業であるWayout Groupの創業者で前CEOのGil Dolev氏が、創業チームメンバーとして新事業に参画します。

Kurz前首相は現地イスラエルメディアに対し、「オーストリア首相時代に政府だけでなく、製造工場やエネルギー施設への攻撃を数多く目撃しましたが、そのほとんどはメディアで発表されませんでした。
これは、通常のエネルギー供給や水道・病院などの公共サービスだけでなく、サプライチェーンにも広範囲な影響を及ぼしています」と述べています。

Hulio氏は、「情報側、なんなら攻撃側を離れ、防御側に移ります。サイバー世界の最大の課題は、重要なインフラであると考えたからです」と語っています。
新会社はヨーロッパ市場に注力すると言い、地政学的な状況から、現在ヨーロッパが最大の脅威を抱えていると思うからだとしています。

Dream Security社は、昨年12月に4億ドルを調達したソフトバンクの支援を受けたClarotyなど、重要インフラサイトを保護するイスラエルのサイバーセキュリティ企業のひとつとなる見込みです。

同社は今年後半にテルアビブに事務所を開設する予定だといいます。

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